待っていた夕暮れ時の駐車場で。
私は鍵がかかって入れない車に、もたれて座り込んだ。
空を見ていると、電線が譜面のように見えて、あの譜面にどの音符をおけば、この綺麗な空に似合うメロディーが奏でられるかを考えた。
すると、鍵をもったまま出かけた相手が帰ってきて、座り込んだ私を見て、「頭のおかしい人に見えるからやめて」と言われた。
その言葉に何も答えなかった。
待っている少しの間の出来事を話そうと思わなかった。
空想を許されない、拒否に似た視線は私の口を開けさせないようにさせた。
頭がおかしい人、か。
昔からずっといわれてるよ。
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