私とスパイス

　『感性と直感で生きている気分屋』

　私を表すにはぴったりの言葉である。

　そして、これが良くも悪くもスパイスがきいた人生にしてくれているのだった。

距離のバランス

 ずっと知り合っていても、ちょっと距離があるような人たちとの関係は難しいもんです。
 私から壁を作ってしまっていたから、距離をどう詰めていけばいいのかなおさら迷ってしまうのでした。
 いきなり詰めることは相手を戸惑わせてしまうだろうし、相変わらずの距離が離れすぎている間柄で話すことも少しは避けたいですし。

 そこで今日は思いきって輪に入って話してみました。
 心配していたより受け入れられたようでほっとしたのですが、私は目をつい伏せて、誰とも目を合わせなくしてしまうのでした。
「目よ、みんなの目とちゃんと合わせるのだ」と思う程、余計に力が入ってしまいます。
自分の話す事に対して、相手のどんな反応をしているか見るのが怖いのです。
たとえ笑ってくれていても、不意に近づきすぎていないかと不安になります。
自分に自信がない、ハリネズミ野郎でありますねぇ。
それに、まだ相手を信用してない部分もあるんだろうなとも思います。

色々と考えながらも、今日は少しだけ距離が縮ったかなぁなんて思えたので、深くも落ち込まずにいます。
明日は夜にお味噌汁を作ろうかなんて考えています。

1つの体に矛盾2つ

　　「不真面目でもないけれど、真面目でもないね」
　平均的な性格だと言いたいのだろうと思うのだ「けれど、私という人間を少し深く知っているからこそ相手はこう付け加えます。
　「B型かAB型にしか見えない」と。
　この2つの言葉は矛盾しているのだけれど、実際には私という1つの体に収まっていて。
　だから、「不真面目でもないけれど、真面目でもないね」という言葉が平均的な部分だけを指しているわけではないのです。
　なんかね、そんなひねくれた言葉を言う相手を面白いなぁと思います。

深度、浅く

昨夜は数時間の就寝で
その割には体は疲れを持たずに意識は澄んでいて
肌寒い雨の中、駆ける足取りは軽くって

灰色の雨空は気持ちを落ちつかせてくれて
転覆していた船もまた航海を始めた
沈む深度が浅くなったのは、いろいろな人の支えがあってのこと

今夜は大好きな紅茶をゆっくり飲むことにしようか
蜂蜜垂らせば笑みもこぼれる

atonement

　旅の思い出というものは、旅先だけに宿るものではなかったのだと知った。

　走る道や見る景色が、ある思い出を思い出すきっかけとなった。
　それは決して今日過ごした出来事に悪い点があったのではなく、ただただ私の問題である。
　その思い出を思い出さないようにと、たこ焼きやらドーナツやら美味しい食べ物たちを胃に入るだけ入れて意識を今だけに向かせた。胃はこれでもかというくらい張って、少し胸がむかつく。ただし、昨日の体調不良の回復のために食べ物を口に入れる意味も含まれていたから、暴食とは違う類のものだと自分では思う。思い出を思い出すときにヘドロのような感情が出てこなかったということも、暴食とは違うと思う理由の1つでもある。
　胃と財布が許す限り食べていたら、徐々に道はいつかの道ではなく今日の道で、景色はいつかの景色ではなく今日の景色として見えるようになり、今日を楽しむことができた。きっと今日共に過ごした仲間のおかげもある。

　今日思い出した思い出を素知らぬ顔で、１人ひょうひょうと耐える強さは私にはない。
　その思い出たちには何も罪ないのに私は逃げる。
　それでも逃げるのは己が１人の人間を壊したことの愚かさに苦しくなるからだ。
　相手を笑って傷つけて、己の精神の安定を保とうとしていた。
　安定していると思っていたのは相手のやせ我慢のおかげだったと精神が本当の意味で安定してから、やっと気づいた馬鹿だったのだ。
 　償いを死ぬまで全うできずとも、私は死ぬまで償い続ける。
　今日のように目を背ける日があっても、また目を前に向けて償うのだ。
　沈黙の償いを。
　大丈夫、落ち着いて目がまた前を向いたから眠りにつけるさ。