内側のあざ

　自分の不注意が招いた体の不調。
　内側に、まだらにあざができていた。
　どうやってできたのかはわからない、意識が途切れた時にできた。
　
　あざは数日中に消えてしまうだろう。
　目に見える物が風化しても、風化してはならない形なきモノがある。
　それが目に見えるように出てきたような気がしただけ。

糸をほどくような会話

会話は何かに喩えることのできるものだ

今日初めて会った人だったけれど、会話は糸をほどくような感覚だった
様々な人に会い、それを文字に起こして長い文へと変える過程で私の頭の中でからまった糸
糸は細すぎず、頭の中の指にちょうどよく掴める太さなのにほどき方がわからなかった
それが、会話をしていく内にするするとほどくことができた

今日がきっとその人との会話の相性が良い日で
ぎこちなくて人見知りな私の思いでも、うまく消化することのできる人なんだろうなぁ

弾けてしなやかに

昨日は電車に揺られていた
電車の中で過ごす時間は嫌いじゃない
ちょうど良い速度で変わる景色と電車の中の雰囲気が好きなのだ

料理の本を読んでいると、ふと前の晩に読んでいた写真に関する本を思い出した
すると、ぱあぁんと風船のように頭の中が弾け、
それは、どこかのお土産のゴム風船の中にあったプリンのような思いが体中にが出てきたようだった
ちなみに思いなので味はついていない

“写真をちゃんと勉強して、撮る対象から滲むものを撮りたい”
たわいもない思いが頭に弾けたのだった
あまりにも突然だったので泣きそうにもなった
自分が写真を撮ることが好きだと知っていた
けれど、写真を勉強したい思いの大きさを知らなかった
知らぬふりをしていたわけでもなく、その時初めて知ったのだ

血のように一気に体中を巡って落ち着いた後に、思考に“しなやかな強度”を持ちたいなぁとも思った
それは、弾けて飛び出してきた思いを形にするために必要な要素ではないかと思うのだ
すぐに得ることのできるものではないから、長い長い時間をかけて得れたらいいなぁ

ゆらゆらと腹ごなし

電車にゆらゆら
携帯打つ動作にも指や腕は力が入らなくて
目はとろりとするが眠気はなくて

ただ電車の中に眼は向いてはいない
意識もそうだな

きっと
家に帰ったら
腹ごなしにバームクーヘンか、おかきを食べる
もちろん適量でね
腹が減っていたら体の疲れに流されてしまうからな


私は、滲むものを撮りたい。

煙消えゆ

　名もない関係の解消
　26年という時間は埋められなかった
　チャットモンチーの「染まるよ」の歌詞がぴたりと合って
　擦れてる感情はどこかに投げた
　ほっとしたし、後悔もしてやしない

　『火が消えたから　もうだめだ
　　魔法が解けてしまう
　　あなたは煙に巻かれて　後味サイテイ』
　　　　　　　　 by チャットモンチー「染まるよ」